前のページへ


生活 > 民間伝承 > 神話
 
 
名称
立野
読み
タテノ
場所
長陽村
連絡先
 
所有者
 
概要
高千穂から阿蘇谷に向かってこられた阿蘇大明神(健磐龍命)は、満々と水をたたえた阿蘇谷をご覧になり、「この湖水を干せば良田となろう」と考えられました。そこで、外輪山を見渡し、その一ヶ所を「エイッ!」とばかりに力任せに蹴破ろうとしましたが、二度、三度と蹴っても一向に蹴破ることが出来ません。よく見ると、そこは外輪山が二重になっていたのです。(ここを二重〈ふたえ〉の峠と呼んでいます。)そこで、大明神は外輪山を少し南に下って弱そうな所を見つけ、そこを「エイッ!」と一蹴りされると、山はひとたまりもなくこわれ、湖水がゴウゴウとすさまじい音を立てながら流れ出ました。そこが、立野火口瀬と言われるところで、今も阿蘇谷(中央火口丘北側の火口原)から流れる黒川、南郷谷(同、南側の火口原)から流れる白川がここで合流し、熊本平野を潤しながら有明海へと注いでいるのです。ところが、力任せに蹴った大明神は勢い余ってズッテンドーと尻餅をついてしまいました。よっぽど勢いがよかったのか、立ち上がろうとしても容易に立ち上がることができません。心配する周りの者達に「立てんのう!」と言われたことから「立野」という地名が生まれたといわれています。